国民年金保険料の負担が重く、納付することが困難な場合には、保険料の納付が「免除」または「猶予」される制度があります。
未納のままにしてしまうと、受給資格期間に含まれず、年金がもらえなくなったりしてしまいますが、免除や納付猶予が認められれば年金の受給資格期間に算入されます。
(1)保険料免除制度
所得が少なく、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合には、本人からの申請により、承認されると保険料の納付が免除になります。
所得によって、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類があります。
(2)保険料納付猶予制度
50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、本人からの申請により、承認されると保険料の納付が猶予されます。
平成28年6月までは30歳未満が対象でしたが、平成28年7月以降は50歳未満が納付猶予制度の対象となっています。
(3)保険料免除・納付猶予の所得基準
それぞれの所得基準は、前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることです。
① 全額免除
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
② 4分の3免除
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
③ 半額免除
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
④ 4分の1免除
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
⑤ 納付猶予制度
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
(4)メリット・デメリット
保険料を免除された期間は、老齢年金を受け取る際に1/2受け取れます。
保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。
将来、年金を受給できるのは、10年間分の年金保険料を支払った人になりますが、免除期間中も受給資格期間に含まれます。
納付猶予の場合は、年金を受け取るために必要な受給資格期間にカウントされますが、老齢基礎年金額の受給額が増えることはありません。
免除・猶予期間中の保険料を10年間さかのぼって支払う(追納制度)することが出来ます。
ただし、追納する場合、免除・猶予を受けた翌年度から3年目以降に追納すると加算金が発生します。
申請者本人だけの所得ではないので、所得状況がわからない場合があるかもしれませんが、日本年金機構、市区町村が確認を行いますので、該当しそうな場合には市区町村にご相談なさってください。
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