平成30年度の税制改正大綱の概要が決定されました。

個人所得課税では、「働き方改革」を促進する観点から、給与所得控除などの見直しが図られます。

企業向けには「生産性革命」の実現を後押しするために、十分な賃上げや生産性向上のための税制上の措置を講じます。

また、地域の中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置を講じ、さらに、日本経済を支える中小企業が円滑に世代交代できるよう、事業承継税制の拡充が盛り込まれました。

このほか、観光促進のための税として、快適に旅行できる環境を整備する国際観光旅客税(仮称)の創設、税源の偏りを是正する地方消費税の清算基準の抜本的な見直し、国際課税制度の見直し、税務手続の電子化の推進、たばこ税の見直し等が行われます。

経済社会の著しい構造変化の中で、多様な働き方が増えています。

様々な形で働く人を応援し、「働き方改革」を後押しする観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除や公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に、負担調整の比重を移していく必要がある、と考えられています。

個人所得課税は、この基本的方向性に沿って、次のような見直しが進められます。

① 給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替

・給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、基礎控除の控除額を一律10万円引き上げる。

② 給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直し

・給与所得控除については、給与収入が850万円を超える場合の給与所得控除額を195万円に引き下げる。ただし、子育てや介護に対して配慮する観点から、22歳以下の扶養親族や特別障害者である扶養親族等がいる者については、負担増が生じないように措置を講ずる。

・公的年金等控除については、公的年金等収入が1,000万円を超える場合、控除額に195.5万円の上限を設ける。また、公的年金等収入以外の所得金額が1,000万円を超える場合には控除額を10万円引き下げ、2,000万円を超える場合には控除額を20万円引き下げる。

・基礎控除については、合計所得金額2,400万円超から逓減し、2,500万円超で消失する仕組みとする。

個人所得課税の見直しについては、個人の負担に直結するものであるため、今後も国民の理解を得ながら、引き続き丁寧に議論を進めていく、ことも明記されています。

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