相続、遺贈または贈与により土地を取得した場合には、相続税等を計算するために、土地の価額を適切に評価する必要があります。
土地の価格については、「一物四価」などと言われるように、複数の評価額が存在しています。
(1) 相続税評価額
土地の相続税評価額の計算方法は、「路線価方式」と「倍率方式」の二つが存在しています。
①路線価方式
路線価(相続税路線価)とは、道路に面する宅地1平方メートルあたりの評価額です。
土地の面積にこの路線価を乗じ、各種補正率を加味して評価する方法を「路線価方式」といいます。
路線価は、国税庁のホームページで閲覧することが出来ます。
市街地の宅地については路線価が定められていますので、路線価方式を採用します。
②倍率方式
倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに、その地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方法です。
乗じる倍率は、国税庁のホームページで公開されている評価倍率表により確認することが出来ます。
路線価が定められていない地域の宅地については、倍率方式で評価します。
(2) 固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村が個別の土地・不動産に対して策定した評価額のことを言います。
おもに固定資産税及び都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算出に用いられます。
(3) 公示地価
公示地価とは、国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象に、毎年1月1日時点の価格を公示するものです。
平成28年は25,270地点が対象になっています。
土地の取引価格は公示地価に拘束されませんが、1つの重要な指標として存在しています。
(4) 相関関係
相続税評価額、固定資産税評価額、公示地価はそれぞれ評価額は異なりますが、お互いに相関関係があります。
公示地価を100とすると、相続税路線価は公示地価の約8割、固定資産税評価額は約7割となります。
そのため、例えば固定資産税評価額から、割り戻すことによりおおまかな相続税評価額を知ることができます。
それぞれの関係はおよそ次のようになっています。
①公示地価×80%=路線価
②公示地価×70%=固定資産税評価額
③固定資産税評価額×114%=路線価
④路線価×125%=公示地価
ただし、相続税評価額は実際には各補正率等を加味したり、実際の図面から実態を把握しますので、あくまで大まかな目安としてご利用ください。
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