外国為替証拠金取引(FX)とは、外国為替(外国通貨)の売買を、一定の証拠金(保証金)を担保にして、その証拠金の何十倍もの取引単位(金額)で行う取引をいいます。
個人の方が、FXで一定以上の利益が出ている場合には、所得税の確定申告をする必要があります。
また、損失が出ている場合でも、その損失額を確定申告で申請しておくと、来年以降の利益から控除できる制度があります。
① 差金決済による差益が生じた場合
FXで得た利益は、他の所得とは区分して、雑所得に分類され、「先物取引に係る雑所得等」として、申告分離課税の対象となります。
他の所得額にかかわらず一律20%(所得税15%+住民税5%)*の税率で課税されます。
*平成25年から25年間は、所得税に対して2.1%復興特別所得税が課されるため、期間中の税率は所得税、住民税合計で20.315%です。
「先物取引に係る雑所得等」とは、商品先物取引の決済、金融商品先物取引等の決済など一定の先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額をいいます。
② 差金決済による差損が生じた場合
他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能ですが、「先物取引に係る雑所得等」以外の所得の金額との損益通算はできません。
しかし、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算をしてもなお引ききれない損失の金額は、一定の要件の下、翌年以後3年内の各年分の「先物取引に係る雑所得等」の金額から控除することができます。
FXで得た利益とは、決済し、確定した為替損益とスワップ金利のことを言います。
未決済の含み益は、課税対象にはなりません。
FX取引において発生した「手数料」は、必要経費として認められます。
これらの年間の損益や手数料は、FX会社や証券会社が発行する「年間取引報告書」などで確認することができます。
年末調整をしている給与所得者の場合、利益が20万円を超えている、あるいは、損失を繰越すときには、確定申告が必要となります。
また、損失額の繰越控除の適用を受けるには、損失を申告した年以降、3年間毎年、確定申告をする必要があります。
損失が出た年の翌年の損益が、プラスマイナスゼロであっても、確定申告しておかないと、翌年以降に損失額の繰越ができなくなってしまうため、注意しましょう。

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