平成25年10月1日から施行された「消費税転嫁対策特別措置法」では、あたかも消費者が消費税を負担していない、あるいは、軽減されているかのような誤認を消費者に与えないようにするため、事業者が消費税分値引き等の宣伝や広告を行うことを禁止しています。
禁止される表示
平成26年4月1日以後における取引について、以下の表示をしてはいけません。
① 取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示
消費税は最終的に消費者が負担するものですので、消費者が消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれのある表示は禁止されます。
「消費税還元セール」
「消費税はいただきません」
「消費税は当店が負担しています」
「消費税はおまけします」
「消費税はサービス」
「消費税は転嫁しません」
「消費税は一部の商品にしか転嫁していません」
「消費税を転嫁していないので、価格が安くなっています」
「当店は消費税増税分を据え置いています」
② 取引の相手方が負担すべき消費税を値引きする旨の表示であり、消費税との関連を明示しているもの
消費税分を値引きする旨の表示は、消費者が実質的に消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれがあるため禁止されます。
「消費税率上昇分値引きします」
「消費税8%分還元セール」
「増税分は勉強させていただきます」
「消費税率の引上げ分をレジにて値引きします」
③ 消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示
消費税分の物品、金銭、映画のチケット、ポイントサービスにおけるポイントなどの「経済上の利益」を消費税に関連して提供する旨の表示は、消費者が実質的に消費税を負担していないかのように誤認させてしまうおそれがあることから禁止されます。
「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します」
「消費税相当分の商品券を提供します」
「消費税相当分のお好きな商品1つを提供します」
「消費税率の引上げ分を後でキャッシュバックします」
禁止されない表示
宣伝や広告の表示全体からみて消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、いずれも、消費税分を値引きする等の表示には該当しませんので、この法律で禁止されることにはなりません。
① 消費税との関連がはっきりしない
「春の生活応援セール」
「新生活応援セール」
② たまたま消費税率の引上げ幅と一致するだけ
「3%値下げ」
「3%還元」
③ たまたま消費税率と一致するだけ
「10%値下げ」
「8%還元セール」
これらの違反行為が公表されてしまうと、企業イメージや信用を損ないますので、消費税に関連するような形でのセールや広告は控えたほうがよさそうです。
ガイドライン等で十分理解し、違法な表示にならないように注意しましょう。

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