消費税率10%への引き上げは、ひとまず見送られましたが、平成26年4月の8%への引き上げから2年が経過しました。
消費税率の引上げに当たって、消費税の転嫁を拒否する行為等は「消費税転嫁対策特別措置法」により禁止されており、政府一丸となって監視・取締りをに取り組んでいます。
この取組の一環として、公正取引委員会及び中小企業庁は、「消費税の転嫁拒否等に関する調査」を実施しています。
商品又はサービスを供給している事業者が、取引先法人事業者から消費税の転嫁拒否等の法律上問題のある行為を受けていないかの実態を把握し、問題となる行為の是正につなげるための調査です。
中小事業者の全てを対象としていますので、調査依頼の封書が届いた事業者も多いと思います。
ただし、回答を義務付けているものではありませんので、回答しなくても差し支えはありません。
平成28年「6月調査」の調査結果では、「全て転嫁できている」と回答した事業者が、事業者間取引では83.0%、消費者向け取引では70.4%、「全く転嫁できていない」と回答した事業者が、事業者間取引では4.0%、消費者向け取引では5.7%となっていました。
消費税の転嫁拒否等の禁止行為は次のような行為です。
① 減額
本体価格に消費税分を上乗せした額を対価とする旨契約していたが、消費税分の全部又は一部を事後的に対価から減じることなど
② 買いたたき
原材料費の低減等の状況変化がない中で、消費税率引上げ前の税込価格に消費税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価を定めることなど
③ 商品購入、役務利用、利益提供の要請
消費税率引上げ分を上乗せすることを受け入れる代わりに、取引先にディナーショーのチケットを購入させることなど
④ 本体価格での交渉の拒否
本体価格(消費税抜価格)で交渉したいという申出を拒否することなど
⑤ 報復行為
転嫁拒否をされた事業者が、①~④の行為が行われていることを公正取引委員会などに知らせたことを理由に、取引の数量を減らしたり、取引を停止したりするなど、不利益な取扱いをすることなど
回答内容は、公正取引委員会、中小企業庁等の消費税の転嫁拒否等の行為に対する監視・取締りを担当する官公庁のみが適切に使用するとのことですので、もし、転嫁拒否等の禁止行為に困っているのであれば、ありのままの事実を回答されたら良いと思います。

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