平成26年4月からの消費税率の引き上げに備えて、消費税を含まない「税抜き表示」も認めることなどを盛り込んだ法律が平成25年10月1日から施行されました。
スーパーやコンビニなどでの価格表示は、これまでいくら支払えばいいかが明確にわかるように、商品の本体価格に消費税分を加えた「総額表示」が義務づけられていました。
しかし、消費税率が平成26年4月に8%、平成27年10月に10%に引き上げられた場合、「総額表示」では短い期間で、値札や表示を貼り替えなければならず、事業者にとっては手間やコストなどの負担が増えることとなります。
「本体価格+税」などと表記する「税抜き表示」であれば、事業者は税率が変わっても値札を貼り替えなくてすむため、「総額表示」に加えて「税抜き表示」も認めることにより、値札や表示の変更などがスムーズに進むように、そうした内容を盛り込んだ特別措置法が施行されました。
これを受けて、スーパーやコンビニなどの間では、「総額表示」を続けるところと、「税抜き表示」に変更するところなど対応が分かれそうです。
平成16年4月に税込み価格の「総額表示」が法律で義務づけられて以来、約9年半ぶりに「税抜き表示」も認められるということで、消費者が混乱する懸念も出ています。
この法律では、ほかにも、消費税率8%に引き上げられた場合に、「増税分は値引きします」など、消費者に消費税を取らないという誤解を与える恐れのある、いわゆる「消費税還元セール」と銘打った広告や宣伝を禁止することが盛り込まれています。
また、中小企業が取引先の大企業などから増税分の負担を強いられたりしないよう、価格転嫁しやすいように、複数の中小企業が足並みをそろえて一斉に増税分を価格に上乗せする「価格カルテル」を独占禁止法の例外として認めることも盛り込まれています。
協議に参加する3分の2以上が中小企業である場合、消費増税分を同時に価格に上乗せしても、独占禁止法が適用されません。
この特別措置法は平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間の経過措置となりますが、「税抜き表示」に変更した場合でも、できるだけ速やかに「総額表示」に戻すように努めなければなりません。

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