所得拡大促進税制を平成26年4月1日以降に終了する事業年度について適用する場合に、給与等支給増加率が5%から、2%に緩和されましたが、ほかにも改正された点があります。
主な改正内容は、増加率の緩和も含めて、以下の3点です。
① 適用年度を平成30年3月31日まで2年延長
② 給与等支給増加率「5%」という要件を緩和
(現行)雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であること
(改正)増加率を段階的に変更
・平成27年4月1日より前に開始する事業年度については2%      
・同日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については3%
・平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については5%以上 
③ 平均給与等支給額の比較方法を変更
現行制度では、日々雇い入れられる者のみを除いて計算していたところを、「継続雇用者に対する給与等の支給額」と、それに係る支給者数に限定して比較することに改正
今回は、この「平均給与等支給額」について、詳しく見ていきたいと思います。
平均給与等支給額に係る要件については、その計算の基礎となる「国内雇用者に対する給与等支給額」を、「継続雇用者に対する給与等」に見直した上で、適用年度の平均給与等支給額が前事業年度を「超えること」とされました。(改正前:「以上」であること)
これは、適用年度およびその前事業年度において平均給与等支給額を比較する場合、前事業年度に給与水準の高い退職者が多く、適用年度に給与水準の低い新入社員が多い場合等に、実体上は給与水準の改善が行われていたとしても、平均給与等支給額の比較の上で反映できないため、より適切な比較ができるように改正されたものです。
「継続雇用者に対する給与等」とは、適用年度及びその前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者に対する給与等のうち、雇用保険法の一般被保険者に対する給与等支給額とされ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度に基づき雇用される者に対する給与等は除かれます。
したがって、適用年度に新規で採用した者や、前事業年度で退職した者に対して支払った給与等については、平均給与等支給額を比較の上で計算には入れないことになります。
継続雇用者に対する給与等として、計算の対象になると考えられるのは次の者です。
・前年度、適用年度を通して一般被保険者
・前年度に入社し、適用年度も一般被保険者
・前年度以前に入社し、適用年度に退職した一般被保険者
また、一般被保険者に該当しない者でも、週20時間以上勤務し、雇用保険の加入要件を満たしている場合は対象とされます。

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