合同会社は、2006年5月1日施行の会社法により新しく設けられた会社形態です。
会社法施行以前の会社組織は、商法の株式会社・合名会社・合資会社と、有限会社法の有限会社の四種類でした。
しかし会社法では、株式会社と、持分会社である合名会社・合資会社・合同会社の2つに区分されることになりました。
★持分会社の特徴
・持分会社は、相互に人的信頼関係を有し、日常的に会合できる少人数の者が出資して共同で事業を営む。
・株式会社は、基本的には株主と経営者が分離しているが、持分会社は、所有と経営が一致している。
・会社の内部規律については、原則として定款自治が認められ、その設計が自由にできる。
株式会社の取締役のような機関は置かれず、全社員が自ら会社の業務執行にあたる。
ただし、定款の定めによって業務を執行する社員を限定することが可能となる。
・原則として、定款の作成・変更には、全社員の一致を要する。
従って、社員1人1人が拒否権を有していることにる。
・社員の持分の譲渡、社員の新加入も、社員全員の同意が必要となる。
・利益分配・議決権分配は、出資割合と切り離して自由に認められる。
上記のことを踏まえて、合同会社のメリット・デメリットを見ていきます。
★合同会社のメリット
・社員はすべて、有限責任社員であり、間接有限責任のみを負う。
そのため、リスクの高い新事業にも、挑戦しやすい。
・社員1名でも設立することができ、株式会社よりも、会社組織をシンプルにできる。
それだけ、早い意思決定ができる。
・設立費用が安く済ませることができる。
合同会社は定款認証が不要で、司法書士報酬酬も、比較的、安く済む。
株式会社の場合 登録免許税15万円+定款認証5万円+司法書士報酬
合同会社の場合 登録免許税6万円+司法書士報酬
・利益分配などが、出資割合と切り離して設定することができるため、出資力のみが優遇されるのではなく、出資は少なくても、貢献の高い社員に分配することができる。
・株式会社への組織変更ができる。
★合同会社のデメリット
・利益の分配、会社の意思決定について、自由に定めることが出来るため、社員同士の対立を招きやすくなる。
・株式会社に比べて、社会的な認知度、信頼度が低い傾向がある。
取引先との取引の制限があったり、人材の確保が不利になる場合がある。
・社員全員の同意が必要なため、権利の譲渡や事業承継が難しくなる。
・欧米のLLCのような「パス・スルー課税」ではなく、株式会社等と同じ「法人課税」である。
一人合同会社であれば、社員同士の対立や、事業承継の難しさなども問題にはなりませんし、「法人課税」も株式会社と同様ですから、合同会社だから不利ということはありません。
新規設立が認められなくなった有限会社に代わって、今後、個人事業の法人成りやベンチャー企業など、多くの設立が期待されています。
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