譲渡所得は、おもにマイホームなどの土地建物や株式などを売却した場合に課税されることがほとんどですが、個人事業用に所有している減価償却資産を売却した場合も、課税の対象となります。
法人の場合は、減価償却資産の売却損益を営業外費用・収益として算入できます。
また、個人事業の棚卸資産、消耗品、少額減価償却資産(10万円未満)、一括償却資産などの売却は、事業所得として計上されます。
しかし個人事業でも、自動車や建物など、減価償却資産の売却によって発生する収益・損失は、事業所得に算入するのではなく、譲渡所得になります。
この譲渡所得は、土地建物や株式等の分離課税の譲渡所得と違って、総合所得として事業所得や給与所得などの他の所得と損益通算することができます。
例えば単純に計算すると、事業所得が300万円、総合譲渡所得が-100万円の場合、通算して所得は200万円となります。
譲渡所得の計算
基本的に譲渡所得の金額は、売却額から購入代金、取得費用などを控除した金額となりますが、減価償却を行っている事業用資産の場合には、帳簿価額を基準に計算します。
購入金額より安く売ったからといって、譲渡所得の対象外になるとは限りませんので、注意が必要です。
減価償却資産譲渡の例)
購入価額100万円 帳簿価額50万円 売却額80万円の場合
売却額80万円 - 帳簿価額50万円 = 譲渡所得30万円
上記の場合には、総合譲渡所得となり、30万円の所得が発生しますが、特別控除額が50万円ありますので、最終的に譲渡所得は「0円」となります。
上記の資産が少額減価償却資産(20万円以上、30万円未満)の特例を受けている資産である場合には、全額経費になっていますので、売却時の帳簿価額は「0」となります。
また、自動車や家電など、生活に通常必要な個人用資産を売却した場合には、譲渡所得は非課税となりますが、売却額が30万円以上の贅沢品や、生活に通常必要ない資産などを売却した場合には譲渡所得として課税対象となります。
個人の私物を売って、特別控除額の50万円以上利益がでることは、あまりないと思いますが、心当たりのある方は確認してみてください。

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