福利厚生費との区分
福利厚生費とは、一般には従業員の生活の向上と労働環境の改善のために支出する費用のうち、給与・交際費・資産の取得価額以外のものとされています。
具体的に、次の費用は、交際費等から除かれ、福利厚生費とされます。
①もっぱら、従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用
②創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
③従業員等(従業員等であった者を含みます。)またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)
これらは、「通常要する費用」程度のものでなければいけませんので、料亭での豪華な食事など、世間一般の常識を超えるものについては、福利厚生費とは認められないでしょう。
寄附金との区分
寄附金とは、金品、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。
一般的に寄附金、拠出金、見舞金などと呼ばれるものは寄附金に含まれますが、これらの名義であっても、交際費等とされるものは寄附金から除かれます。
したがって、金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄附金になるのか、交際費になるのか、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があります。
ただし、次のような事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄附金になります。
①社会事業団体、政治団体に対する拠金
②神社の祭礼等の寄贈金
交際費は、「得意先や仕入先など事業に関連する者に対して、取引関係の円滑な進行など、何らかの見返りを期待して支出するものである」のに対し、寄附金は、「事業との関連性がない者、希薄な者に対して、見返りなどの反対給付を期待せずに支出するもの」といえます。

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