解雇予告手当
使用者が労働者を解雇しようとする場合には、原則として、少なくとも30日前に予告をしなければなりません(労働基準法20条)。
30日前の予告をしない場合には、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとしています。
予告日数については、平均賃金を支払った分の日数だけ短縮することができるので、例えば解雇日の10日前に予告した場合は、20日分以上の平均賃金を支払うことになります。
このとき支払われる賃金が、解雇予告手当です。
解雇予告手当は所得税法において、解雇すなわち退職を原因として一時に支払われるものであるところから、賃金(給与所得)ではなく退職所得に該当することとされています。
また、労働の対償となる賃金ではないため、社会保険料や労働保険料の対象にはなりません。
解雇予告の例外
下記のような臨時的労働者には、解雇予告手続きの適用はありませんが、正当な理由による解雇でなければなりません。
また、4の者で本採用を見送る場合についても、正当な理由がなければなりません。
1.日雇いの場合(ただし、1か月を超えて雇用されたときは、解雇予告手続が必要です。)
2.2か月以内の期間を定めて雇用した場合(ただし、所定の期間を超えて継続的に雇用している場合は、解雇予告手続が必要です。)
3.季節的な業務に4か月以内の期間を定めて雇用した場合(ただし、所定の期間を超えて継続的に雇用している場合は、解雇予告手続が必要です。)
4.試用期間中の場合(ただし、14日を越えて雇用されたときは、解雇予告手続が必要です。)
和解金が生じた場合
解雇について労使間で裁判になった場合、双方が合意に達すると和解金が支払われます。
この和解金に関しては、その内容によって取り扱いが異なりますので、ご留意ください。
①給与所得(賃金)となる場合
残業代の未払い分として和解金を支払うと合意した場合や、退職時点が使用者側の主張より延びたためその分の給与相当額を支払うと和解した場合には、賃金となります。
賃金ですから、社会保険料も源泉税もかかってきます。
②退職所得(退職金)となる場合
解雇予告手当等として一時金を支払うことで和解した場合には退職金となりますので、退職所得として課税されます。
③非課税となる場合
退職に係る精神的苦痛や損害に対する慰謝料の意味合いで和解金が支払われた場合には、税金はかかりません。

当法人は当業務日誌で発信した情報について正確な情報をお伝えするように努力をしますが、誤り・正確さ・取引の正当性などについては、当法人およびその情報提供者は一切の責任を負いません。

記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。

記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。

ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。