「SMARTの原則」と言われている目標設定のキーワードがあります。分かりやすいこともあって一般に使われていますが、そこにはいくつか注意しなければならない点があります。
「SMARTの原則」とは
目標設定の要件として、次の「SMARTの原則・5項目」が挙げられています。
(1) Specific:具体的であること
(2) Measurable:測定可能であること
(3) Attainable:達成可能であること
(4) Result‐based:「成果」を重視していること
(5) Time‐oriented:期限が明確であること
「SMARTの原則」の注意点
5項目のうち、特に誤解して受けとられる恐れがあるのは、(2)~(4)であり、以下それらの注意点について述べます。
(2)の「測定可能であること」とは、達成基準が可能な限り数値で表されると良い、と言う意味であり、数値化が不可能な場合は、判定可能な具体的表現で設定することを指します。
数値化を絶対的要件と考えてしまうと無理に数値化できる達成基準を探して、あまり重要でない基準を設定するなど目標が的外れになる恐れがあります。
(3)の「達成可能であること」については「担当者の現在の能力で安全、確実に達成できること」と取られ易く、最も注意を要します。
担当者が努力してようやく手が届く目標達成水準を設定することで、担当者の能力向上、達成した時の自己実現が図られると同時に、チャレンジ度、経営貢献度が高まるからです。
(4)の「成果を重視していること」については、目標管理制度が経営目標達成のマネジメントシステムである以上、当然のことですが、成果を出すには、プロセスで目標達成阻害要因をチェックして排除する、成功要因を発見し活用する努力があって、はじめて成果に結びつくのだ、というプロセス管理の重要性を忘れてはなりません。
経営者の留意点
自社の目標設定要件をチェックし、問題点を的確に把握しましょう。
また、問題があれば、管理者に上記の注意点を踏まえて、目標設定会議などを通じ適切な目標設定を社員に指導するよう要請しましょう。

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