印象的な出来事が多かったふるさと納税

個人の所得や控除によって決まる上限金額以内の寄附であれば、自己負担が2,000円で済むのがふるさと納税です。

そろそろ今年の締め切りである年末が近づき、どの自治体に寄附をしようか、と考えていらっしゃる方も多いでしょう。
思えば今年はふるさと納税に関して、印象的な出来事が多かった年となりました。

国対地方は司法の場へ

2019年6月からふるさと納税の新たな運用ルールがスタートし、対象外とされた泉佐野市が国の第三者機関に対して異議を申し立てました。

協議の結果は国側である総務省の、対象外とする決定は「法律違反であるおそれがある」として是正を提言された結果とはなりましたが、その結果をもってしても、総務省は除外決定を覆さなかったことから、泉佐野市は裁判所に提訴しました。舞台はついに司法の場に移り、この争いはまだまだ続きそうです。

そもそもこの対象外とされたのは「お礼の品が寄附額に対して過剰な割合で拠出されていたから」という理由ですが、泉佐野市については、寄附金のうち公共施設整備のための基金を積み立てていながら、その寄附金をお礼の品の費用などに充てていたことが発覚し、こちらも法律に抵触する疑いがあるようです。

ルールが未完成だった印象の否めないふるさと納税ですが、今年新たなルールを作成したことにより、そのほころびが目に見えるようになった感があります。

目的税としての寄附の役目

10月31日、沖縄のシンボルである那覇の首里城が火災により全焼、市がこれを再建するための寄附をクラウドファンディングで募ったところ、3日目にして寄附額が1億円を突破しました。

この寄附に関しては、お礼の品はもらえないものの、税の控除はふるさと納税扱いとなります。

首里城への寄附は本来自分の住んでいる自治体への税の一部を、納税者の意思によって目的税化できるという認知が進んでいる証でしょう。

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