高齢化社会を背景に伸びるリタイア目前の高齢者をターゲットにした、リバースモーゲージの需要が伸びているそうです。

子どもへの相続を考慮せず、自宅に住み続けながらまとまった資金を受け取れるのは、今の時代にふさわしい制度と言えるかもしれません。

その背景には住宅ローンの負債を抱える高齢者が増えている事情もあるといわれます。

リバースモーゲージは、日本では武蔵野市が1981年に福祉資金貸付事業として開始したものが最初です。

近年はメガバンクや信金を含む多くの金融機関が売り出しているほか、都道府県の社会福祉協議会が低所得者向けに提供する制度もあります。

自宅を担保に生活資金を

仕組みは自宅(土地・建物)を担保にして一時金や年金のかたちでお金を受け取り、持ち主が亡くなった後で売却して一括返済するものです。

そのため、契約に当たっては推定相続人全員の承諾を得る必要があり、居住も単身または配偶者に限られます。

一例として、この分野の草分けと言えるT銀行の商品の概要をまとめておきます。

個別の内容や条件をよく見極めて利用できるかどうかを判断したいものです。

対象者 55歳以上、配偶者は50歳以上。年収120万円以上(契約は終身で配偶者への引継ぎが可能)。

資金使途 原則自由(事業、投資は除く)

融資額 500万円以上、1億円以内(マンションは500万円以上、5000万円以内)で自宅価値の5~6割程度

金利 2.950%(2019年3月1日~)

利息は毎月返済

対象物件地域 一戸建て・マンション(一部エ リア)。大都市圏など限定あり

リスクとデメリットを理解して

リバースモーゲージの3大リスクは不動産価値の下落、金利上昇、長生きといわれます。

金融機関は定期的に不動産価値や金利の見直しを行っています。

担保の不動産評価値が下がれば借入極度額が切り下げられる懸念があります。

リバースモーゲージは大半が変動金利ですから、金利が上昇すれば利息の支払いが増え負担になります。

契約者が想定以上に長生きした場合も、それ以上の資金が得られなくなったり、資金を使い切ってしまったりすることになり、老後の資金計画に狂いが生じかねません。

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