平成31年度税制改正では、OECDのBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの最終勧告を踏まえ、①過大支払利子税制、②移転価格税制、③外国子会社合算税制の見直しが行われます。

①②の改正は、平成32年4月以後に開始する事業年度、③の改正は、一部を除き、内国法人の平成31年4月以後に終了する事業年度の合算課税より適用されます。

過大支払利子税制の見直し

過大支払利子税制とは、所得金額に比し過大な利子を国外の関連者等に支払うことによる租税回避を防止するため、その純支払利子のうち調整所得金額の一定割合を超える金額を損金不算入とする制度です。

移転価格税制の改正

移転価格税制とは、国外子会社等との取引価格の操作による国外への所得移転を防ぐ制度です。

OECDの勧告を受け、次の項目(主に無形資産)の改正が入ります

1 移転価格税制上の無形資産の定義の明確化

2 独立企業間価格の算定方法の整備(算定方法としてDCF法を追加)

3 評価困難な無形資産取引に係る価格調整措置の導入

4 移転価格税制に係る更正期間等を7年(改正前6年)に延長

5 比較対象取引に係る差異調整方法として統計的手法(四分位法)を認める

外国子会社合算税制の見直し

この外国子会社合算税制は、実質的事業活動がない外国子会社等(ペーパー・カンパニー)から得られる所得を内国法人の所得に合算して課税する制度です。

今回の改正では、海外ビジネスにおいて一般的に用いられる実態があり、租税回避リスクが限定的であるもの(持株会社、不動産保有や資源開発等プロジェクトに係る外国関係会社)がペーパー・カンパニーの範囲から除かれます。

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