月240時間以上労働の過労死ライン
最近の調査で東京大学社会科学研究所の調べによると、この10年間に月に240時間以上の長時間労働をしている人が減少したことが分かりました。
月に240時間以上の長時間労働をしている男性の「典型雇用」(正社員等)では2007年の35.4%から2017年は23.7%まで減少しています。
同じく女性の典型雇用でも12.1%から8.2%に減少しています。
「非典型雇用」(契約社員等)でも減少傾向が見られます。
月に240時間以上の長時間労働を見ると1カ月20日勤務したとした場合1日12時間以上の労働になりますが、月間80時間以上の時間外労働は過労死ラインと言われています。
脳卒中や心臓病の発症率が高く、労災とされた時は業務との因果関係が認められやすくなり、労働者、企業の双方にリスクがあります。
減少してきたとは言えまだ23.7%あるのは高いと言えるのかもしれません。
帰宅時間は変わったか
同じ調査で働く人の「平均帰宅時間」も早まったことが分かりました。
この10年間で男性は午後8時2分から同7時48分へ、女性は午後6時48分から同6時1分へそれぞれ減少していて平均的な労働時間も減少しています。
働く人の意識の変化
別の調査でシチズン時計株式会社が行った「ビジネスマンの生活時間35年の推移」によると、帰宅時間で遅いと感じる時間は1980年から2000年迄は「23時」がトップでしたが2010年には「22時」がトップ、2015年には「21時」がトップと、この35年間年々早まる結果となりました。
同調査はリーマンショック(2008年)や東日本大震災(2011年)の影響から生活様式が見直され、働き方にも変化が見られるとしています。
その後の過労死の社会問題、働き方改革の推進もあり、働く人々の意識の変化がさらに高まってきています。
企業もこの世相や意識の変化を認識しておく必要があるでしょう。
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