経理処理の大原則は貸借を一致させること
本来複式簿記は資産の管理から始まりました。
新たな資産が増えた場合、購入のための資産が減ったと考えます。
車の購入を例にとると以下となります。
車両100/預金100
しかしそのうち商売を始めるとそうはいかなくなりました。
商品の仕入れは上記の資産の購入と同じです。
商品100/預金100
売った場合が問題です。
仕入れた商品を200で売った場合、以下となり貸借が合いません。
預金200/商品100
そこで考え出されたのが損益勘定です。
預金200 /商品100
/ 商品販売益100
現在の経理処理
現在では商品の仕入れは「仕入」と言う損益勘定で処理し、売った場合は「売上」と言う損益勘定で処理しますが、元々は上記の考え方が原則です。
そこで今でも売れ残った商品は在庫として資産に計上します。
例えば2個仕入れて1個売った場合、現在の経理処理は以下となります。
仕入200/預金200
預金200/売上200
商品100/期末棚卸100
原則的な考え方では以下です。
商品200/預金200
預金200 / 商品100
/ 商品販売益100
複雑な取引は原則へ
複雑な取引はこの原則に立ち返ると間違いなく処理できます。
定価500の新車を、従来所有していた車を100で下取りしてもらい、更に50値引きしてもらい購入しました。
購入にあたって諸経費が48かかりました。
差引振り込んだ金額は398でした。ちなみに従来の車の簿価は30でした。
まず明らかな事実だけを貸借に記録します。
新車は50の値引きなので450、支払ったお金は398、諸経費は48、古い車の簿価は30。
増えた資産は借方、減った資産は貸方です。
車両450 /預金398
経費48 /車両30
貸借一致が原則ですから、差額は下取り車両の売却益70と言うことになります。
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