組織目標を設定する際、そこには管理者の意思が端的に表明されます。
営業部門の場合で言えば、「適正な予算設定」が目標管理の「適正な組織目標設定」と同義で、管理者が市場環境と自社の販売ポテンシャルを的確に評価、判断する高い見識に基づいて設定されます。
そのような予算・目標の実績との差異は、極めて小さく、経営貢献度が高いものとなります。
控え目な目標設定の問題と原因
組織目標の設定は、管理者にとって「トップから与えられたノルマ」と映りがちで、また、達成度によって組織業績が評価されます。
そこには管理者に「達成度が高く評価されるには、組織目標(予算)を控えめに設定する方が、得である」と言う意識が生まれる素地があります。
このような管理者の意識は、一般社員の目標設定に伝搬し、組織業績低迷の原因となります。
組織目標のあるべき姿
組織目標は過去の実績に比べて高く、ストレッチ(努力してようやく手が届く)な水準に設定し、その裏付けとして、市場環境の的確な分析と販売ポテンシャルに関する評価と自信がなければなりません。
そのような目標は、実績との一致度が高くなり、同時に経営貢献度も高いものとなります。
経営者・管理者の留意点
トップは「組織目標(予算)の達成度が高い」ことを、「未達」の時以上に警戒しなければなりません。
そこに、「恣意的に設定された控え目な目標・表面的な高い業績評価を追い求める管理者の意識」が存在する可能性があるからです。
トップと管理者は、そのような意識を排除し、組織目標(予算)を建設的行動の指標と考える高い見識を持たなければなりません。
見識を高める裏付けとなるのは、次のような自らの実践的努力を通じた経営貢献度を高める組織風土の醸成にほかなりません。
・目標管理制度の運用(目標設定・目標達成努力・目標達成度と経営貢献度評価)を通じた組織別・組織間の目標達成努力。
・それらに関する真摯な反省と問題認識、トップ・管理者による改革・改善。
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