管理者が目標管理がうまく行かない原因を「部下の能力不足」と考えているケースは重症です。

真の原因は「管理者のフォローアップ不足」にあることが理解されていないのです。

フォローアップの意義

目標管理の運用プロセスで、目標設定や評価が重要であることは言うまでもありませんが、目標達成プロセスは最も多くの時間を要し、成果に与える影響も大きいので重要視しなければなりません。

「目標を立て、権限を与え、自主的に行動させるのが目標管理であり、命令・指図は不要で、一切の干渉はせず、部下から離れる」のが適切だと考えている管理者は、放任主義者であり、「委任と放任の違い」を理解していないのです。

フォローアップは、目標管理の運用において目標設定により、部下にその達成を委任した時から、目標達成までの間に、管理者が行わなければならない次のようなマネジメント行動です。

・目標設定後の部下の行動に気を配り

・迷っていれば、適時、適切なアドバイスを送り

・障害に遭って苦しんでいれば、適切な助言、助力を行い

・重要な判断・決断を必要とする状況では励ます

このような、マネジメント行動をとるのがフォローアップであり、部下の行動や置かれている状況に絶えず気を配ることが必要です。したがって、「一切干渉をしない放任」とは全く異なるのです。

ちなみに、元経団連会長・故土光敏夫氏は「もっと部下に近づけ、声をかけよ、盆栽でも一番良い肥やしは持ち主が毎朝息を吹きかけることだ」と述べました。

経営者・管理者の留意点

目標管理の達成プロセスでは「管理者は指図・干渉はしないが、アドバイス・援助・激励は大いに行うことが不可欠だ」という経営者・管理者の共通認識を確認したいものです。

そして、年に数回の経営者・管理者の合同マネジメント研究会を行い、フォローアップの成功・失敗例を披歴し合って、相互にブラッシュアップしましょう。

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