建設工事の節目に行われる様々な式典

新しい社屋や工場を建設すると、工事の節目節目で様々な式典が行われます。

その地方や会社の業種、宗教等によりますが、一般的には神事として行われるものが多いようです。

担当する方は慣れぬ仕事に戸惑うことでしょう。

例えば、「地鎮祭」と「起工式」は、どちらも工事着工に当たり、施主・施工者・工事関係者が参加する式典。

土地の守護神をまつり、工事の安全を祈願するものですが、大手ゼネコン鹿島のHPによれば、祭神が異なるようです。

地鎮祭 大地主神(大地の守護神) 産土大神(土地の氏神)

起工式 手置帆負命(工匠の守護神) 彦狭知命 (工匠の守護神) 産土大神(土地の氏神)

「上棟式」も神事です。

最近は、鉄骨造の場合、鉄骨のクレーン吊り上げ、鉄筋コンクリート造の場合は、最後のコンクリートの打ち込み等のセレモニーが行われます。

工事が完成すると、「竣工式」、「落成式」、「完工式」や「定礎式」が行われます。

「竣工式」は神事色が強いですが、「定礎式」はもともと西洋の石造建築の「礎石」を据える祭式に由来するそうです。

建物新築に伴う式典費用と取得価額

法人税では、これらの式典がいつ行われたものかにより建物の取得価額に算入するかどうかの取扱いが異なります。

起工式・上棟式など 完成までの式典は、建物の取得価額に算入

竣工式・落成式など 完成後の式典は、取得価額に算入しなくてもよい

また、これら式典では、来客者に接待・供応するような場面も多くあることから、交際費に該当するものが出てきます。

その判断は、概ね次のようになります。

①従業員等に概ね一律で社内で供される通常の飲食費 交際費に該当しない

②式典の祭事のために通常要する費用 交際費に該当しない

③式典における宴会費(①以外)、交通費、記念品代 交際費に該当する

取得価額に算入した交際費の取扱い

これらの式典費用のうち交際費に該当するものを取得価額に算入すると、費用計上されていない交際費(原価算入交際費)の損金不算入となってしまうため、一定の調整(当期:取得価額の減額、翌期:決算上調整)が必要となります。

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