評価の納得性確保は、目標管理制度・人事賃金制度が、社員の信頼を得る基本的な条件ですが、1次評価者としての管理者が持つ悩みと解決策の視点から、この問題について考えて見ましょう。
管理者の悩みと問題現象
管理者の悩みと、それに伴って生ずる問題現象を整理してみますと次の通りです。
管理者の悩み
1.被評価者が評価結果を納得しないことから、不平・不満を言われたくない。
→意図的に高めの評価を行い、被評価者に誤った甘いメッセージを与え、能力開発努力を妨げる。
2.被評価者の不満が多いことから、管理者としての評価能力の低さが問われかねない。
→管理者として自己の評価能力に不安を抱きながら、評価を続けざるを得ない。
3.確信が持てる評価材料が得られない。
→恣意的な評価を自分に許す。
このような悩みと問題現象は、経営にとっても、管理者自身のマネジメントにとっても、また被評価者にとっても到底望ましい状況とは言えません。
適する解決策のポイント
解決策が具備すべき条件と、適する解決策は次の通りです。
解決策の条件
1.公正な評価基準に基づく評価であること。→経営貢献度(所属組織の目標達成に対する貢献度)を評価基準とする。
2.評価根拠が目標達成プロセスの事実状況に基づいていること。
評価者が確信をもって評価し、被評価者も納得して受け入れること。
→目標設定・目標達成プロセスの状況事実について直接的に知っている仲間が提供した「相互フィードバック情報」に基づいて評価すること。
経営者・人事担当役員の留意点
管理者の悩みは、自分からトップに対して打ち明け難いことがらであることを察して、経営者として「被評価者の納得性確保が重要である」との立場から対策を講じたいものです。
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