在日大使館等勤務の外国人は所得税が免除

外国政府の外交官として来日し、大使館や領事館に勤務する者の課税関係については、所得税法と外交関係に関するウィーン条約、領事関係に関する同条約が重層的に適用され、有利な方の課税方法によることとされています。

そのため、給与をはじめとして個人的所得については、わが国では課税されないこととなっています。

この非課税は、大使や書記官など外交官のみならず、事務及び技術職員や役務職員(受付、玄関番、料理人や掃除人等)にも適用され、外国人であって大使館等から受ける報酬であれば、租税が免除されます。

来日外国人の所得税課税

日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人は非永住者として、国内源泉所得に対して課税されます。 

この非永住者の判定に当たって、過去10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超える場合は、5年以内の日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者として取り扱われます。

非永住者以外の居住者は、日本人と同様、全世界所得が所得税の課税対象とされます。

過去に外交官として国内に居住していた人の非永住者の判定

過去に大使館に勤務した人が退職し、日本の民間企業に再就職した場合には、居住者として日本の所得税の下での課税が適用されます。

大使館等勤務で「外交」または「公用」の対象外公用パスポート保持者は「在留管理制度」の適用外なので、住居地の登録がなされません。

住居地の登録がなされない→住所なし→国内に住所または居所を有していた期間はゼロと考えることができるのでしょうか。

上述の外交官のいわゆる人的非課税の取扱いは、国内に居住していることを前提としており、我が国に住所又は居所を有しない者と解しているものではありません。

したがって、非永住者の判定に当たっては、外交官として国内に居住していた期間も含めて判定することとなります。

このことを誤解して期間算定を誤ると、確定申告はもちろん、「国外財産調査制度」の対象漏れともなりかねませんので、十分注意が必要です。

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