介護現場からのニーズと外国人介護人材
人材不足が叫ばれて久しい介護現場、高齢化が進む中、介護人材の確保・育成のニーズは年々高まっており、外国籍人材の受入についても長年議論が交わされていました。
日本では外国人の就労について、日本人の配偶者や日系人など一定の身分である場合を除き、職務内容ごとに類型された在留資格、いわゆる「就労ビザ」を取得しなければなりません。
これまで外国人の介護人材については、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国から経済活動の連携強化を目的とした受入を行ってきたものの、これはあくまで日本における労働力不足への対応として行うものではなく、非常に限られた枠組みでのみ行われていました。
そのため、現状は外国人が介護分野の職に就くため就労ビザを取得することは許容されていません。
就労ビザにいよいよ介護分野が新設
根強いニーズがあるものの、言葉の壁や安価な労働力として扱われるのではないかという懸念事項も多く、外国人介護人材の受入についてはなかなか前進していませんでした。
しかし、昨年11月28日に「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」が公布され、新たな類型として在留資格「介護」が創設されることになり、ついに介護分野での受入が実現する見込みとなったのです。
対象は介護福祉士の資格を取得した人材
新設する在留資格「介護」では、活動内容を「日本の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護または介護の指導を行う業務に従事する活動」とし、介護福祉士の資格を取得した外国人が日本で長期就労することができるようになる予定です。
これにより、今後は留学ビザで来日した外国人留学生が、介護福祉士養成機関で介護福祉士の資格を取得し、卒業後、日本国内で就労するといった流れも想定されますので、留学生、介護福祉士養成機関、また介護・医療施設にとってこれまでにない就職への取り組みが検討できます。
この在留資格「介護」に関する規定については公布の日から1年以内に施行される予定とされており、今後の動向に注目が集まります。
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