外国人従業員にも年金の加入義務あり

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入は、すべての法人の事業所、あるいは一定の業種で常時5人以上を雇用する個人事業所では強制適用となっています。

適用事業所で働く労働者は加入者となります(パート、アルバイトでも、所定の労働日数が、通常の労働者の4分の3以上あれば加入させる必要があります)。

保険料は、事業主と労働者が折半で負担します。

これは日本人のみならず、外国人であっても労働者であれば対象となります。

ここ1~2年、未加入事業所に対する年金事務所からの加入勧奨書類の送付も定期的になされており、加入の徹底が図られております。

帰国後の年金受取方法に2つの選択肢

日本で働いていた外国人が帰国(もしくは出国)して日本に住所を有しないこととなった場合には、所定の要件のもと、それまで支払った年金について、①脱退一時金を受給するか、②将来年金をもらえる年齢まで待つか、のいずれかの選択をすることになります。

①脱退一時金の受給を希望する場合には、出国後2年以内に、日本年金機構本部に対し、必要な書類を、電子申請もしくは郵送等で提出する手続きが必要となります。

なお、脱退一時金を受け取った場合、その該当する期間は年金の加入期間でなかったことになります。

日本と年金通算の協定を締結している相手国の年金加入期間のある人については、一定の要件のもと年金加入期間を通算して、日本及び相手国の年金を受け取ることができる場合がありますが、脱退一時金受取りで期間を通算することができなくなりますので、注意が必要です。

脱退一時金の課税(非居住者の手続き)

脱退一時金は退職所得の扱いとなり、短期滞在者の場合は一般的に金額が少ないので、課税される税金は通常ゼロとなります。

ただし、非居住者の場合、支払時に20.42%源泉徴収されます。これを取り戻すためには、確定申告が必要です。

納税管理人を選任して所轄税務署に「納税管理人の届出書」を提出し、「退職所得の還付申告」をすることで取り戻せます。

手続きするかどうかは、手間と最終的に受け取れる金額との相談となります。
 

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