適年廃止後の退職金制度はどうなってる

長期勤務に対する報奨と理解されている退職金制度ですが、中小企業の多くが利用してきた税制適格年金制度(適年)の廃止から4年半、この制度を導入していた企業は「中小企業退職金共済制度」(中退共)へ移行した企業が一番多かったようです。

また、平成26年度の法改正でそこから5年で多くの厚生年金基金は解散していくことになっています。

厚生年金基金を退職金の一部にしている企業ではこの対策も考える必要があります。

退職金制度のメリット・デメリット

退職金は企業と従業員の労働契約により支払われる賃金制度の一部です。

そうならば給与や賞与で払えば退職金は支払わない選択もあるでしょう。

その分給与水準を高くし、月々の給与に退職金額を上乗せした前払い退職金制度にしているところもあります。

ただし社会保険料が上がり毎月の給与額も時間と共に当然と感じてしまい、給与を高くした意味が薄れることもあり得ます。

厚労省の調査によると、従業員30人以上の企業では7割5分が退職金制度を導入しているそうです。

導入のメリットとしては、良い人材の確保のしやすさ、長期的勤務推進策、定年や早期退職の円滑化策、不況期の雇用調整、従業員の不法行為の制御、退職者の競業避止義務や守秘義務の対価としてなどがあります。

従業員側は退職後の必要費用を賄う、企業への満足度の高まり、入社時の決定理由、長期勤務がメリット、税制上の優遇措置等があります。

一方デメリットとしては経営状態にかかわらず一時的に多額の支払いが生じる場合があるので、決算や資金繰りに悪影響を与えることがあります。

また、運用悪化等があれば積立額のチェックも必要になります。

退職金の資金準備

複数の退職者が一度に発生すると企業にとって退職金の負担は大きくなり、多額の現金が必要になることは資金繰りを悪化させるおそれもあります。

予め手当てしておくことは大切です。

どこに資金をプールするかと言うと、先の調査では社内準備約6割強、中退共約4割、特退共やその他が少しあります。

社内準備は銀行と生命保険の利用があります。
 

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