上場会社のオーナー
上場会社のオーナーの大部分の方は、資産管理会社を作って、自らの上場株を管理しています。
管理会社は、オーナー自身やその親族が役員となって支配しています。
目的は、安定株主対策でしょう。
管理会社の中には、20%前後の株式を保有しているものもあります。
もう一つは、節税を含めたところの事業承継対策です。
オーナー自身が直接株式を保有していれば、配当金だけでも莫大で、また、オーナーに相続があった場合、その株式は上場株ですので時価で評価され、相続税の負担も大変です。
資産管理会社に自身の上場株を移しておけば、受取った配当金の、少なくとも、50%は益金不算入の対象になります。
相続に際しては、オーナーが保有している株式は管理会社の非上場株式です。
一般的には、その株式の評価は、株式保有特定会社となり純資産価額方式が適用され評価は高くなりますが、しかし、株式の含み益があれば、その含み益に対して法人税相当額(現行37%)が減額されます。
もちろん、管理会社の資産内容を組み替えることで、類似業種比準方式が適用可能となり株価の評価を下げることはできますが、開業後3年を経なければなりません。
また、3年経過しても組み替えが意図的と認定されれば純資産価額方式のみ適用となってしまうこともあります。
相続・贈与の直前の実施は禁物です。
非上場会社のオーナー
非上場会社のオーナーは、自社株の保有率が高いので持株会社(以下、HD)を作ることは容易です。
作る方法は、売買もありますが、会社分割、株式移転(交換も含む)が最もポピュラーな方法ではないでしょうか。
このHDは、会社経営のみならず、事業承継対策としても有用性があります。
HDがグループ会社の経営を統合し、ほとんどの主要資産を移管、管理することで、経営の意思決定が迅速にできます。
HDの受取配当金は100%益金不算入、主要資産の受入れは、子会社からの売買や現物分配(100%支配関係なので譲渡益課税はない)で可能です。
結果として、必然的に持株会社は、一部又は全部に類似業種比準方式が適用可能となり、株価は引き下げられます。
しかし、これも開業後3年を経過しなければ適用できません。
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