通常、年1~2回行なわれる昇格・昇進は人材育成の成果で、有能な人材を育成した結果として、企業経営を支えて活躍する機会を与え、かつ相応に処遇することです。
なお、昇格とは、等級制度における等級を上げることであり、昇進とは役職を任命することです。
昇格・昇進の審査基準
一般には、次に例示するような基準を設定して審査を行ないます。
[昇格基準]
①直近1年間の業績・能力の総合評価が5段階A~EのAまたはBであること
②現在の等級における在籍期間(例:上位等級では12か月以上、下位等級では6か月以上)
③昇格後の等級に期待される貢献度が期待できるか
④業績貢献に至るプロセスで、実際に行なった工夫・施策・周囲への影響・自社の共通の価値観に基づく行動
⑤上位等級では、上記項目についての面接審査結果
[昇進基準]
①昇進ポジション(役職)で活躍するための等級を得ているか
②配置先のポジションで活躍が期待できるか(適性・環境適応力・ストレスに対する耐久力・家族状況による制約・必要な場合は語学力等)
経営者の留意点
新しい事業分野への昇格・昇進では、次のような点に留意しましょう。
①管理職・専門職の複線人事で、昇格・昇進目標と、キャリアルートを社員に示し、主体的な能力開発を図ること。
②新規事業に関するポジション、海外事業所のポジション等への配置を行なう場合は、「入学方式」(入学試験のような制度)をとり、現在処遇のまま、新しいポジションにつかせ、特定期間における業績・貢献度・実際の発揮能力を評価した上で昇進させること(昇進後に期待外れに起因して、降格が生じ、大きなモラルダウンや退職に至る等のトラブルを避けることができる)。
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