登記悪用の違法行為が後を絶たず
株主総会議事録を偽造して、役員になりすまして役員変更登記をしたり、本人承諾のない取締役就任登記をしたりして、会社財産を処分するなど、法人登記を悪用した犯罪や違法行為が後を絶たないようです。
それで、昨年の10月1日からの法人登記に際しては、「株主リスト」の添付が要求されるようになりました。
商業登記規則等の改正により
株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請では、
(1) 登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
(2) 登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合
には、株主リスト提出が要件とされました。
株主総会決議を省略する場合にも株主リストの添付は必要です。
株主リストの記載事項
添付株主リストには、議決権数上位10名以上または議決権割合合計が3分の2以上の株主に係る次の事項を記載します。
①株主の氏名又は名称
②住所
③株式数
④議決権数
⑤議決権数割合
⑥以上に関する代表者の証明
(ただし、全株主同意を要する登記では、⑤は不要です。)
10月1日前の株主総会であっても、その日以降の登記申請では、株主リストの添付が必要です。
種類株式発行会社の場合は、上記③は、「種類株式の種類及び数」となります。
別表(二)を代用できる
法務省のホームページでは、株主リストの書式例・記載例を公表するとともに、企業側の負担を考慮し、同族会社等判定明細書(A)や有価証券報告書の「大株主の状況の欄」(B)などの既存書類を利用できるとしています。
(A)というのは、法人税申告書の別表(二)のことです。
上記①~⑤の記載が完全で、そこに代表者の証明がなされれば、要件を具備した書面になります。
なお、3分の2以上要件の判定に同族関係者の保有株式の合計が必要ですが、別表(二)は同族グループ毎に付番することになっているので、そのままで判定要件具備のようです。
記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。
記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。
ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。