現行の公的年金支給開始年齢は
現在、基礎年金の支給開始年齢は、原則満65歳からとなっています。
厚生年金の支給開始年齢は2001年度より順次引き上げられており、2013年度からは65歳にならないと満額は支給されません。
現在報酬比例部分は60歳から支給されていますが、それも男性の引き上げは2013年度(女性は5年遅れ)から3年ごとに支給開始年齢が1歳ずつ引き上げることになっています。
65歳に到達した後、引き上げは止め、男性は2015年度(女性は5歳遅れ)以降65歳にならないと支給開始されません。
新しい引き上げ案は
このたび出された年金支給開始年齢の引き上げ案では、65歳の開始年齢をさらに68歳から70歳引き上げることを提示しました。
それは
①3年ごとに1歳引き上げを2年ごとにする
②現行通り65歳まで上げてから基礎年金と共に68歳に上げる
③2年に1歳のペースで前倒しし、68歳まで上げる
という3通りの案が出され、最も早いペースで行った場合は現在51歳以下の方(1960年生まれ)は68歳から支給ということになります。
しかしこの案は経営者団体からも継続雇用や定年延長の問題と絡み反対意見が強く、結局来年の法案提出は見送られることとなりました。
50歳前後世代の老後の準備
現在50歳の方(1961年4月2日以降生まれ)の男性は、年金支給開始年齢が65歳スタートとなる初めての年齢です。
この年代の方たちがさらなる支給開始年齢の引き上げ案に当たっていることになります。
現在40代世代は狙い撃ちされているかたちです。
今回の支給開始年齢引き上げの案は見送られたものの、どちらにせよこの世代より後は60歳定年から65歳まで何らかの準備が必要なことは間違いないでしょう。
受給者多数の世代は影響なし
現在60歳の定年を迎えている人は、退職すれば報酬比例部分だけは受給できるのでまだ良い方でしょう。
高年齢法の施行もあり、企業も再雇用や雇用延長は進んでいくでしょう。
しかし若年齢者層に影響も考えられるため、高齢者雇用拡大には慎重な態度です。
今後年金支給が本格化する団塊世代への影響はないので年金額の削減にはつながりません。
世代間格差が増大することは確かなようです。

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