「貸し渋り!もう十分に渋られているよ。」反対に、「借りてくれって煩いんだよ。」と会社によって大きな差があります。しかし、この差が広がるのはこれからが本番です。
これは先進国の潮流である“企業格付ルール”が浸透してきたためです。
企業格付とは?
「企業格付」には社長の人柄などの要因も加わりますが、80%以上は財務数値です。各金融機関独自の機密扱いで評価は各行によって多少異なりますが、おおむね同様です。
また、「企業格付」とは“倒産確率” をスコアにしたものです。
これは、主観的な判断を出来るだけ排除するため、財務数値のうち“時価自己資本比率とキャッシュフローの返済能力”を特に大きな要素として融資の重要な判断基準としています。
今後の対応
格付が低く、“倒産確率の高い会社”に対して基準を超える融資をすることは、金融機関の内部統制上からもいっそう困難な時代に突入します。
格付けは各金融機関の自己査定ルールで、各金融機関の重要なノウハウの一つであり、メガバンクが開発し系列の地銀・信金・ノンバンクなどに数十億円でソフトを販売し、情報システムが運用されています。
キャッシュフローによる融資の返済能力は“税引き後の利益”で判断されますから、多少の利益では追いつかないことになり、返済額の大きい企業にとっては厳しいキャッシュフロー経営の要求になります。
“支店長と仲良く”といった不明瞭な査定こそが問題となってきたところです。
金融機関独自の自己査定はそもそも金融監督庁指導の下にスタートした経緯がありますが、最近のメガバンクの意識には世界のルールとして対応できるBISスタンダードに向けたステップアップがあります。
ちなみに、金融監督庁が公表している金融機関を査定する“金融査定マニュアル”(中小企業版を別冊として公表)が一つの参考になります。

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