納税申告書には還付申告書も含まれます。
還付申告書は、税金を戻してもらうための申告書ですが、所得税法上、一定の給与所得者で確定申告を要しない人や申告の義務のない人の申告書で、かつ、当該申告には申告期限の定めはありません。
還付申告書はいつでもできるのか
還付申告書には、申告期限の定めがないことから、その申告はいつでもできるのか、というとそうではなく、その期限又は時効は、請求できる日から5年を経過する12月31日までです。
では、請求できる日はいつからか、翌年の1月1日からです。
還付請求申告書なるもの
還付請求申告書とは何か、その定義は所得税法にはなく国税通則法にあります。それは、次のような内容です。
「還付金の還付を受けるための納税申告書で所定の手続きにより計算された場合に納付すべき税額がない申告書であり、かつ、期限内申告書(法令上で定められている期限内申告書)以外のものをいう」と定めています。
したがって、還付申告書の提出において、納付すべき税額がある還付申告書があるとは考えられませんし、また、還付申告書には申告期限の定めもないことから、冒頭の還付申告書と還付請求申告書はその実質は同じで、提出後は適用法律の違いを区別する観点から「請求」という名称を付加しただけのものではないかと考えられます。                     
還付申告書の提出と減額更正等の起算日
この還付請求申告書ですが、税金の増額更正又は減額更正の起算日は、その申告書を提出した日の翌日からとなっています。
そこで、疑義が生ずるのは、先の年金二重課税判決のように国の法令解釈に誤りがあった場合、「過去に還付申告書を提出した人の更正の請求に基づく還付請求権の期限はいつまでか」ということです。
更正の請求に基づく還付請求権の始期、終期に関しては、国税に関する「減額更正等に関する期間制限」の定めに従う以外にないと考えます。
したがって、当該申告書を提出した日の翌日から5年ということになりますので、極端な事例では、平成17年分の還付申告書を平成22年3月10日に提出した人の還付請求権の期限は平成27年3月10日ということになります。
もっとも、更正の請求は、取扱の変更を知った日から2ヶ月以内ですから、その期限には限界があります。

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