昨年6月、NPO法と寄付税制が大きく改正されたことで、今年4月1日から認定NPO法人にかかる制度が変化します。
認定NPO法人制度とは
認定NPO法人制度は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために設けられている税制上の措置です。
一定の要件を満たし認定NPO法人に認められると、通常のNPO法人と違い、認定NPO法人に対して寄附をすれば、寄附をする人の税負担が軽減されるようになっており、通常のNPO法人よりも寄付を受けやすい環境になります。
これまでの認定制度
NPO法人の活動支援を目的とした認定制度でしたが、認定を受けるためには、「運営組織や経理、事業活動の内容が適正であるか」など、様々なハードルがありました。
中でも高いハードルだったのが、PST(=パブリック・サポート・テスト)と呼ばれるもので、認定にはそのNPO法人が広く一般から支持されているかどうかを判断する基準を満たしている必要がありました。
この判断は、「寄付が多い団体ほど支持率が高い」と前提し、収入のうちに寄付の占める割合で計算されていたため、税制優遇を受けることで寄付を集めやすくするための認定制度であるにもかかわらず、多額の寄付を集めた実績がないと認定を受けられないという問題もあり、これまで全国のNPO法人の内認定NPO法人は約0.5%と、制度の利用が進みませんでした。
PST要件緩和と仮認定制度の導入
こうした問題点を踏まえ、認定制度による寄付の促進をより積極的に実施するため、今年4月1日から次のような免除、緩和措置がなされることになりました。
①絶対値基準の導入
PSTはこれまで収入に対する割合計算でしたが、これに加え「年3,000円以上の寄付者数が年平均100人以上」という絶対値での判定が選択できるようになり、具体的にいくら寄付金を集めたらよいのかが明確になりました。
②仮認定制度の導入
そうはいっても、設立から年数の浅い法人にとっては、寄付を集めることそれ自体が難しいという問題もあります。
そこで、寄付がほとんどない法人にも先に仮認定を与え、仮認定取得期間中に寄付を集めれば本認定に移行できるという仮認定制度が導入されました。

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