許認可がいらないエステティック業
会社で行う事業の中には、許認可や届出を行うことが営業要件になっているものもあり、こうした許認可の取得は事業を開始する上では一つのハードルになります。
これに対し、エステティック業は基本的に許認可や届出を必要とせず、一人での運営やマンションの一室を利用した小規模なサロンの開業ができることから、特に女性からの人気が高い業種の一つです。
しかしこうした許認可が不要な事業であっても、競合他社との差別化や消費者の様々なニーズに応えるため施術メニューを増やすなどして、結果的に他の許認可事業に触れてしまわないよう注意が必要です。
エステと他の許認可事業の狭間
①理容業・美容業
近年の厚生労働省の見解によれば、美顔施術について「当該施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等業を行うに当たって公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には、理容師法又は美容師法の対象となる」としています。
エステと理美容業の関係については以前から疑義が唱えられていますが、この見解によればフェイシャルエステとの境界が気になるところであり、コンプライアンスを求められる大手サロンでは理美容師資格の取得をすすめているのが現状です。
②公衆浴場営業
公衆浴場を設置・営業するには都道府県知事による許可が必要です。
公衆浴場にはいわゆる「銭湯」だけでなく健康や美容の増進を目的としたサウナ等も含まれ、エステサロンで熱気や熱砂、熱線、泥風呂を使ったサービスを行う場合にはこの営業許可を受けなければなりません。
意外なところに落とし穴
営業に十分な注意を払い問題なく運営が行われており、自分たちでは許認可の必要がない事業と認識していても、思わぬところで損害を被る可能性もあります。
たとえば融資を申し込む際、事業内容と事業計画の提示は必須です。
このとき客観的に他の許認可事業と抵触していると認められてしまった場合、適正な運営を行っていないとされ融資が下りないこともあります。
エステティック業以外にも、現段階では特別なルールや法規制の対象とならない業種は無数に存在しますが、既存の他制度や法との抵触性はサービスを多様化、創設させる上で非常に悩ましい問題です。

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