税理士は「税務代理」「税務相談」などについて独占して業務を行っています。しかし、この「税理士」には、税理士試験を合格していなくても税理士になれる人が存在します。
税理士会では、税理士法改正の要望の中で、「税理士業務を行える者は『税理士』の試験に合格した人だけにしてほしい」と主張しています。
そんな中、弁護士や会計士など税理士試験を受けずに税理士になれる人たちからは、以下のような反論がありました。
1.弁護士の反論
①弁護士は法律全般の専門家である。
②「弁護士は会計の知識を有していないので税理士になる資格がない」と言う意見があるが、そもそも会計の知識は税理士の独占業務ではない。
③そもそも日本に「税理士」という資格ができる前は弁護士と公認会計士がその役割を担うと想定されてきた。
④税務に関する異議申し立て、審査請求等は弁護士の職務となっており、税理士業務が制限されると訴訟の経緯に齟齬が生じ、一貫性を保てない。
⑤税理士は税法の専門家であるから、弁護士には税理士業務はできないと思われているが、弁護士は業務の必要に応じて、医療、建築など広い知識を習得している。
⑥税理士となった弁護士が特段税理士よりも業務に対して事故や事件を起こしているわけではなく、弁護士が税理士になることについて弊害が無い。
2.公認会計士の反論
①税理士と言う資格が存在していない先進国では、公認会計士、弁護士がその業務にあたっている。
②そもそも日本に税理士という資格ができる前は弁護士と公認会計士がその役割を担うと想定されてきた。
③税理士が試験により専門家として一定水準であることを確認したのと同様の資質を公認会計士も有している。
④税理士となった公認会計士が特段税理士よりも業務に対して事故や事件を起こしているわけではなく、会計士が税理士になることについて弊害が無いこと。
⑤さまざまな知識分野から税務サービスを提供することが国民の利便性にかなうことであり、税務サービスの提供を税理士に限定することは国民のためにならない。
税理士の資格に制限を設けようとした税理士会ですが、今後も動向に注目しています。
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