希望者全員65歳雇用確保時代
高年齢者雇用安定法の改正で年金の支給開始の繰り下げに合わせて、段階的に60歳から65歳までの希望者全員の継続雇用の対象としなくてはならないこととなりました。
原則全員を継続雇用しなくてはならないとなると企業は労働条件の変更を考えざるをえないでしょう。
今までも60歳で一旦定年退職し継続雇用するには労使協定で定めた基準を満たす人を選別し、労働時間や賃金の見直しをした上で雇用をする企業が多かったのですが、希望者全員継続雇用となると、賃金は今まで以上に各人に応じて金額を設定していくことが必要になるでしょう。
定年後の賃金額はどう構成するか
例えば昭和28年4月2日生まれの人は、61歳から初めて報酬比例の老齢厚生年金が支給されます。
60歳の間は賃金を下げても年金は出ない期間なので、雇用保険からの高年齢雇用継続給付のみ賃金と合わせて、どの位の賃金額になるのかを考える必要があります。
そして61歳になった時に24年度以前に決めておいた継続雇用の労使協定基準に満たなければ退職、満たされれば継続雇用となり、老齢厚生年金の報酬比例部分が支給開始され、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付と合せて賃金額を再び見直します。
継続雇用の賃金改定の考え方
賃金の改定については一様な改定でなく、会社の期待も反映して3つに分けてみます。 
①今後も大いに頑張ってほしい社員
②普通に頑張ってほしい社員
③会社としては今一つと思える社員
①の方にはモチベーションの維持の為年金や雇用保険の給付は受けられなくとも50歳代時代と同じか近い水準にする
②の方の賃金改定は定年時の6割以下にして年金が出ない間は賞与等で手当を支給。
(月の給与で手当を出すと保険料に影響)
③の方には改定額は②より低く、年金不支給時期も手当となるものは支給しない。
このような差を設けることで会社の意向を本人に伝えることができると思いますが、賃金改定をする際には、話し合いや説明をきちんと行う必要があるでしょう。
また、労働時間を短くし、社会保険に加入せず保険料負担無しに働くことも1つの方法です。

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