給与収入を生む役務提供契約
役務提供契約としては雇用・請負・委任・寄託などが民法上の類型とされています。
この中で、まず給与所得とされるのは、雇用契約による対価の収入です。
そして、企業の役員が会社と締結する委任契約により受け取る役員報酬も給与所得です。
同じ委任契約でも弁護士や税理士が結ぶ企業との顧問契約による報酬は事業所得です。
給与となりそうで給与でないもの
給与所得とそれ以外の所得との相違は特定の相手に専属して役務の提供をすることにありそうです。
しかし、プロスポーツ選手、外交員、集金人、ホステス等については一定の専属する役務提供先から受ける報酬であったとしても給与所得ではなく事業所得となります。
こんな人たちも給与所得
プロスポーツ選手などが提供する役務には「労務の従属性」が希薄だということなのかもしれません。
そうだとすると、議会の議員や諮問委員会などの委員あるいは学校医などには従属性などありえないのですが、その受ける報酬は給与所得とされます。
総理大臣の受ける報酬も給与所得です。
構成メンバーとして
従属的にではなく、組織の活動を内部的に支えるための役務の提供をしている会社の役員の場合の延長で、議員や委員の報酬の給与所得性は考えるべきなのでしょう。
組織について管理する側から組織の構成メンバーとして役務の提供をするときの対価は給与所得となるということでしょう。
それに対して、国や自治体や所属会から受ける、弁護士の法律相談や税理士の税務相談の報酬は構成メンバーとしての固有の活動ではなく、外部委任契約なので事業所得となります。
なお、学校医報酬の給与所得扱いだけは医師への特例なのか、説明が困難です。
雇用契約でも事業又は雑所得?
またこれらとは逆に、雇用契約の場合でも、テレワーカーや在宅勤務での役務の提供ということになると、場所的時間的拘束性からの解放とか労働代替性の可能性とか労働設備の自前化とかとなり、必ずしも無条件に給与所得者となるとは限らないようです。

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