税制抜本改革の先行措置
2012年度税制改正大綱には、「税制抜本改革」という言葉が何度も出てきます。
大綱によると、その抜本改革の一部は2011年度に先行措置として改正案とされていたようです。
ただし、国会通過がままならず、積み残しが発生したとしています。
積み残しの一部である給与所得控除や退職所得2分の1課税については2012年度改正案として国会に再提案されます。
積み残しの残りのものである、相続税・贈与税の改正は「税制抜本改革における実現を目指す」としています。
税制抜本改革とは何か
大綱には、「所得課税、法人課税、消費課税、資産課税の全般にわたる税制抜本改革」とか、「消費税を含む税制抜本改革」とか、という表現が出てきます。
ニュアンスとしては、消費税の税率アップを実現することが税制抜本改革の最終目標のような印象を受けます。
また他方で、「社会保障と税の一体改革」との表現もあり、消費税と社会保障費のリンクが目的のように思われます。
税制抜本改革をすることの決まり
ところで大綱の、「税制抜本改革をすることは当然の大前提」とはどこから出てくるのでしょうか。
そう考えながら大綱を読んでいくと、「平成21年度税制改正法附則104条に示された道筋」と言う言葉が強調されていることに気付きます。
法附則104条
税制改正法は各税法の改正部分を一括して条文化しているので、改正後は各個別税法に異動し、その一括法には何も残らないのが通常です。
ところが、「平成21年度税制改正法附則104条」は、それらと異なり特殊で、異動していく個別税法がありません。
改正一括法にポツンと残っている規定です。
そこに、社会保障給付の財源措置として「2010年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」ために、各個別税法の抜本的改革をする旨の宣言的規定がありました。

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