経済のグローバル化を背景に、企業の社会的責任=CSR(corporate social responsibility)が叫ばれ、各企業は競うように社会貢献活動を行うようになりました。
そもそも、企業は、ヒト、モノ、カネを社会から預かり、それらを活用することで利益をあげている以上、利益追求だけでなく、CSR活動を通じて社会貢献をしていくのはむしろ当然だとも考えられます。
では、このCSR活動により支出した費用は、法人税ではどのような取扱いがされるのでしょうか。代表的な寄附金について見てみます。
国等に対する寄附金
国等に対する寄附金、国立大学法人などに対する指定寄附金は、全額を損金に算入することができます。
なお、寄附金は、事業に直接関係する経費ではなく利益処分的な性質を持つため、その他の寄附金については、損金算入額に制限が設けられています。
赤十字やユニセフなどへの寄付
日本赤十字社や日本ユニセフ協会などの特定公益増進法人への寄付金は、一般の寄附金の損金算入限度額の範囲内で、一般の寄附金とは別枠で損金に算入できます。
一般の寄附金とは、金銭その他の資産または経済的利益の贈与または無償の供与で、国等に対する寄附金、指定寄附金、特定公益増進法人等に対する寄附金に該当しないものをいいます。
特定公益増進法人等に対する寄附金で損金不算入とされた部分は、一般の寄附金に含みます。
交際費、広告宣伝費、福利厚生費などに該当する費用は寄附金から除かれます。
一般の寄附金の損金算入限度額は次のとおりです。
損金算入限度額=((ア)+(イ))×1/2
(ア)期末資本金等の額÷12×当期の月数×2.5/1,000
(イ)所得金額×2.5/100(注)
(注)3月末日決算法人から5/100に改正
災害時の義援金
大規模な災害が起こった際、自治体に代わり、日本赤十字社や報道機関が義援金の募集を行うことがあります。この義援金は、一定の場合には国等に対する寄附金として取り扱われます。
NPO法人への寄附金
一般のNPO法人への寄附金は一般の寄附金となります。
認定NPO法人に対する寄附金は、特定公益増進法人等とあわせて一般の寄附金とは別枠で損金に算入できます。
この場合証明書等の保存が必要です。
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