発足1年長寿医療制度
低所得層の負担軽減
「長寿医療制度」は75歳以上を加入者として一年前に発足しましたが、高齢者を軽視しているとの批判も続出したようです。
当初は「後期高齢者医療制度」という名称で、この名も不評の一因ではありました。
今では名称は両者並列的な扱いで表示されることが多くなりましたが、それ以外にも制度に不満を持つ人は今もいるようです。
批判もふまえ、今年度よりいくつかの点が改正されたので見てみます。
①保険料の納め方
年金からの天引きか口座振替かを選択することができるようになりました。
配偶者や同居する子供の口座からでも振替利用できます。
口座振替の場合の社会保険料控除は、口座の名義人に適用されます。
ですから、口座振替に変更する場合は、誰の口座から振替するのか考えて行うことが必要でしょう。
②保険料に新たに9割減額制度創設
保険料は、全員一律に掛かる「均等割」と所得に応じて決まる「所得割」から成立っています。
均等割額は、軽減割合が7割、5割、2割であったものが、7割軽減を受ける世帯のうち、長寿医療制度の被保険者全員が80万円以下の(例えば、夫婦共国民年金しか収入が無い等)低所得者世帯は9割軽減されます。
また、所得割部分でも行われていた軽減措置は、21年度も継続されます。
③健康保険の被扶養家族だった方の保険料特例
制度開始前、政管や健康保険組合の健康保険の被扶養者で、保険料を払っていなかった方は、制度開始当初から2年間は、所得割額は無料となっています。
均等割額の負担率は20年10月から負担無から1割負担にはなりましたが、21年度から5割負担になる予定のところ、今年度も1割負担のままということになっています。
このように、保険料負担が軽減されることは良いことに違いありませんが、総選挙を意識した対策でもあるといえるかもしれません。

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