近年、個人投資家の海外ファンドへの投資が盛んです。
その多くは海外のオフショア市場(アイルランド、ルクセンブルグ等)のファンドで、投資顧問会社の助言によって、本人が直接海外の取扱業者を通じ海外送金にて購入しているのが実情のようです。
この海外ファンドとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
(1)投資信託とファンドは同じものか
投資家から集めたお金をひとまとめにしたものをファンドといい、一般的には、「投資信託」と理解してもよいと思います。
税務上も「ファンド」という分類はありません。
そこで、海外ファンドは、外国籍(外国の法律に基づいて組成された)の投資信託(以下「投信」)の形であると考えられます。
さらに、この投信には、「契約型」と「会社型」があり、ほとんどは会社型、すなわち「株式」そのもので、収益の分配金もありません。
ちなみに、契約型とは、信託契約に基づいて信託された財産の受益権で、日本の投信の主流です。
一方、会社型は、投資法人が発行する投資証券(株式)です。
そこで、気になるのは、この海外ファンドを換金(売却)した時の税金です。
(2)所得税法上の株式等に該当するか
当該海外ファンドが日本の所得税(特別措置)法上の株式、株式投資信託等に該当するかどうかは、ファンドの目論見書でその内容を確認する必要があります。
該当すれば、株式等の譲渡で申告分離の20%の課税ということになります。
(3)上場株式等で一定の譲渡に該当か
次に、当該ファンドが上場しているかどうかを確認し、
さらに、当該譲渡(換金)が「金融商品取引業者等(内閣総理大臣の登録を受けた者)」を通じてなされたものであれば、
申告分離の10%の優遇課税が適用でき、それ以外の場合には上記(2)と同様20%の申告分離となります。

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