賞与制度は次の理由から、企業の規模を問わず活用されています。
1.月例給と比較して夏季・冬季に支給される賞与額が大きく、業績貢献度に応じた支給額決定を行なうことで、モチベーション効果を高めることができる。
2.賞与は月例賃金と比較して、経済環境、経営環境に連動した増減がしやすく、短期(1年以内)の人件費コントロール、労働分配率の増減に利用しやすい。
特に、2000年以降増加が著しい業績連動
型賞与制度は、全社業績・部門業績・個人業績を賞与額に反映する仕組み化によって、短期的業績に基づく支給金額の決定がなされ、短期(1年以内)のスパンで成果・業績を反映するインセンティブが強い賃金制度となっています。
業績連動型賞与制度設計の考え方
小規模企業で採り得る最も単純明快な業績連動型賞与制度の設計方法を例示すれば、次の通りとなります。
1.会社の営業利益から一定割合の賞与原資を確保する。
(例えば、株主・会社・社員で営業利益を分け合う考え方に基づいて、営業利益の一定割合を原資とする。)
2.社員の人事考課点の総計で、賞与原資を除して、「人事考課点1点当りの賞与額」を算定する。
3.社員個々の人事考課点に「人事考課点1当りの賞与額」を乗じた額を社員個人別支給額とする。
会社の規模が大きくなれば(例えば社員100名以上なら)、部や課などの業績(営業利益など、全社業績に対する貢献度)が異なり、それに応じた部門業績・課業績などの評価を行なって、賞与原資を公正に分け与えることが必要になります。
また、営業利益への貢献が算定できない開発部門や、間接部門もありますから、その分制度設計に工夫を要します。
トップの留意点
どのような業績連動型賞与制度であっても、人事考課・目標管理制度など業績評価の方法がある程度整備され、運用実績から社員の納得が得られていなければ成立せず、モラールダウンにつながりかねないことに留意すべきです。
これは、賞与制度のみならず、人事賃金制度全体の問題でもあります。
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