犯罪収益移転防止法とは
今年4月1日より、改正犯罪収益移転防止法が施行されます。
犯罪収益移転防止法(以下、犯収法)は、いわゆるマネー・ローンダリングを防止するため、2007年に施行された法律です。
マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金をあたかも正当な取引で得た資金のように見せかける行為や、口座を転々とさせたり不動産や金融商品等に変え、その出所を隠す行為を言います。
こうした行為に対し、金融機関や税理士をはじめとした士業者など一定の事業者に対して、本人確認やその記録の保存など、取引時の確認を的確に行うための措置を義務と課すことで、犯罪による収益の移転動向に対応しようとするのが犯収法のねらいです。
改正の背景
しかしながら、マネー・ローンダリングの防止を目的に設立された国際組織「金融活動作業部会(FATF)」は、2008年に公表した日本の対応状況に関する審査結果報告書の中で、マネー・ローンダリングが行われていないかどうかを顧客情報の積極的な収集等により検証する体制が弱いことなどを指摘しました。
こうした指摘を踏まえ、より一層の対策推進を目的として2011年に改正犯収法が成立、今年4月から施行されることとなったのです。
主な改正点
このような背景から、本改正では顧客情報の確認・検証義務を強化するため、氏名・住所・生年月日といった基本事項に加え、取引目的や職業、さらに、一定額を超える取引の場合は年収や保有資産に関する情報を取得することが義務付けられました。
≪対象となる事業者≫
金融機関、ファイナンスリース業者、クレジットカード事業者、宅地建物取引事業者、士業、宝石・貴金属取扱業者、郵便物受取サービス業者、電話受付代行業者、電話転送サービス業者(本改正で追加)などが対象です。
上記の対象事業者については、顧客情報の管理に関する作業の遂行手順を見直し、合わせて組織体制や社内規則の整備が不可欠となります。
対象事業者はもちろんですが、今後は各企業に対し、こうした顧客情報の管理徹底姿勢が、より一層社会的に求められることになるでしょう。

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