「中小企業は若い人材を採用しにくい」と言われてきましたが、最近の国内不況から大卒の採用内定率の不調が報道されており、有能な若者が背に腹は変えられないと大企業志向から転換し、自分の能力が認められ、活用されるならと中小企業の事業や戦略に大いに関心を示し、積極的に応募するようになってきました。
つまり、かねてから人材獲得を渇望していた中小企業にチャンスがめぐってきたといえるでしょう。
この機会を利用する企業の留意点を考えてみます。
採用は自由、だが・・・
労働法上、企業がどのような人を採用しようが自由で、適材適所の採用基準で採用するなら、基本的に「こういう人を採用しなければならない」といった強制はありません。
例えば、採用基準を「自社の事業にとって有用な意欲・能力を持つもの」と定め、それに沿った採用試験を行い、採否を決定するのであれば全く問題はありません。
経営者の採用方針・留意点
経営者は長期視点で企業の存続・発展を担う人材を獲得する方針の下で、具体的な採用基準を決め、採用試験等選考を実施しなければなりません。
その留意点は次の通りです。
①募集にあたって、事業内容・戦略とともにどのような人材を求めているのか、意欲・基礎能力面から具体的な方針・選考の考え方を明示する。
②募集・選考基準には、男女差、年齢差等の差別と取られる要素を示さず、あくまでも従事する仕事に求められる意欲・能力等適材適所の選考基準を貫き、労働力不足の現状から、高齢者の活用も積極的に考える。
③採用試験において、最も大切なことは、社長をはじめ、経営陣による「人物評価」で、その評価基準は「経営理念を事業に生かすことが出来る人材かどうか」という点にあること。
そのため、応募者と仕事の現場で接し、生の現場対応力の片鱗を観察するなどして社長の人生経験・識見を基に人物の見極めを行うこと。

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