平成22年度税制改正を受け、「小規模企業共済法及び中小企業倒産防止共済法(経営セーフティ共済)の一部を改正する法案が平成22年4月14日成立、同月21日に公布されました。
しかし、その実施時期はそれぞれ異なり、小規模共済法は公布日から1年以内、一方、倒産防止共済法は1年半以内で詳細な施行日は未定です。
この2つの共済制度は、個人事業者や中小企業の将来に対する備えとして、長期にわたりセーフティネット機能を果たしてきました。
そして今回の改正で、さらにその機能が強化されました。
以下、両制度の主な改正内容を見てみましょう。
小規模企業共済制度の概要と改正内容
この制度は、小規模企業者のための「退職金(年金)制度」です。
税法上、掛金は月額7万円が限度で、全額所得控除の対象、また、受け取る共済金も退職所得控除、公的年金等の雑所得の対象になります。
今回の改正最大のポイントは、加入対象者の拡大です。
改正前は、個人事業形態では事業主ただ1人しか加入できませんでしたが、今回、個人事業主の配偶者や後継者などの共同経営者2人まで加入が拡大されました。
また、共同経営者については、必ずしもその親族に限定されていません。
倒産防止共済制度の概要と改正
この制度は、別名「経営セーフティ共済」とも呼ばれ、万一、取引先の倒産等により売掛金等の債権の回収が困難になったときに、共済金の貸付が受けられる制度があり、中小企業を連鎖倒産から守ることを目的とします。
具体的には、月額8万円を限度に最高320万円まで積立ができ、原則、積立た金額の総額10倍まで、無利子、無担保、無保証人で金融審査なく迅速に資金の貸付が受けられます。
掛金は、所得税では事業所得の必要経費に、法人税では損金の額に算入されます(別表10(6)の添付が必要です)。
今回の改正の主なポイントは2つです。
1つは、掛金の積立限度額を800万円に、貸付限度額を8,000万円に、一方、毎月の掛金の限度額を20万円に引上げる方針
2つめは、共済金を貸付ける事由に私的整理の一部を追加しました。
具体的には、弁護士や認定司法書士からの書面による支払停止通知があった場合などです。

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