人事考課の実務では「分析考課」と「総合考課」と言う二つの方法を使います。
「分析考課」とは、考課項目ごとに考課を行うことで、「総合考課」とは全体的に考課することを言います。
2つの考課方法の特徴
2つの考課方法には次のような特徴があります。
①「分析考課」は、例えば“計画力・判断力などの考課項目ごとに考課を行うこと”であるから、被考課者の行動事実を観察して、その特性を明確に捉えることができる長所がある一方で、全体的に捉えることはできない。
②「総合考課」は、“被考課者の業績や発揮能力などの仕事ぶりを全体として観察して考課を行うこと”であるから、文字通り総合的に捉えることができる長所はあるが、考課者が被考課者に対して先入観を持っている場合には誤った考課に陥り易い欠点がある。
考課者が陥り易い誤り
 
考課者は部下の日常の仕事ぶりから、その性格や得手・不得手などを知っており、好き・嫌いの感情を持っていることが多いと言えましょう。
そして、“好き・嫌いの感情”は、被考課者の全人的な“優れている・劣っている”と言う先入観に転化しやすい傾向があります。
その場合、考課のやり方としては、意識的、無意識的に、まず「総合考課」を行い、次に「分析考課」でつじつまを合わせることになりがちです。
これを“逆算考課”と言って、人事考課の禁じ手になっています。
経営者・考課者の留意点
人事考課は、被考課者の業績や行動事実から、的確に判断して行うことが公正性・納得性を高め、人を育てることにつながります。
注意点は次の通りです。
①経営者は考課者(部長・課長などの上司)に、被考課者に対する先入観を排するなど正しい考課のやり方をトレーニングし、熟知させる。
②考課の実務手順は、まず「分析考課」を行い、項目ごとに考課してから、「総合考課」を行って、逆算考課”を防止する。
③「総合考課」では、「分析考課」の優等生タイプばかりでなく、項目別考課のバランスは悪いが、特長がある“尖った(一芸に秀でた)人材”の発見に努める。

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