退職後再雇用の社会保険料取り扱い
従来、60歳から64歳までの年金を受け取る権利のある方が定年により継続再雇用された場合に限っては、事業主との使用関係がいったん中断したものとみなし、被保険者資格喪失届及び取得届を同時に提出する事で、再雇用された月から再雇用後の給与に応じて標準報酬月額が決定されていました。
定年以外の事由の退職の場合は厚生年金に加入している方が退職後継続再雇用され、これに伴い給与が著しく変動した場合でも、原則として引き続いて厚生年金保険に加入するものであることから、4か月目に標準報酬月額の随時改定(月額変更届)を行っていました。
新しい取り扱い(平成22年9月1日より)
この度、高齢者の継続雇用の支援のためこの取り扱いの対象が、定年の場合だけでなく、60歳から64歳までの年金を受け取る権利のある方が退職後継続再雇用される全てのケースに拡大されました。
この取り扱いの変更により、9月1日以降は新たに、次のような場合もこの取り扱いの対象とされます。
①定年制の定めのある事業所で定年退職以外の理由で退職後継続再雇用された場合
②定年制の定めのない事業所で退職後継続再雇用された場合
従来よりも、広範囲の方が対象となります
例えば、中小企業のうち定年制を設けていない会社で60歳以上の社員を退職後再雇用した場合や、60歳でいったん退職後継続雇用し、その後62歳の時点で契約更新する際、さらに給与を下げた場合等について、これまでは、下げた月より4ヶ月目に月額変更届を提出する取り扱いでしたが、この取り扱いの変更により資格喪失届と資格取得届を同日付で提出する事ができるので、標準報酬をすぐに下げられるようになりました。
被保険者資格取得届には、新たな雇用契約を結んだ事を明らかにできる書類(退職したことが分かる書類、再雇用時の雇用契約書又は事業主の証明等)を添付する必要があります。

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