小規模企業共済法の一部改正
小規模企業共済制度は、個人事業主などが廃業退職した後の、生活資金を積み立てておく退職金制度です。
これまでは事業主しか加入できなかった共済制度に、共同経営者として配偶者や後継者などの専従者が一事業所新たに2名までの加入が認められる改正案が国会で成立しました。
近年、小規模企業者の7割を占める個人事業主の数は減少の一途を辿っており、金融危機に伴う経済状況は一層悪化に向かっています。
個人事業主の数は86年の389万件から99年には306万件、さらに06年には257万件にまで減少しています。
厳しい経営環境に対し、個人事業主が少しでも安心して事業に専念でき、事業承継環境整備にもなるような制度改正が行われました。
小規模共済制度の概要
加入できる人は常時使用する従業員が20人(商業とサービス業では5人)以下の個人事業主または会社の役員等の方です。
今回の改正で、事業の経営に携わる共同経営者が新たに加入できるようになり、事業主と一体となって経営を行っている給与の支払いのある配偶者や後継者も対象となりました。
家族従業員も将来への安心を確保することで経営基盤強化につながる事でしょう。
掛金は月額1千円から7万円までの範囲内(5百円単位)で選ぶ事ができ、加入後の増額・減額もできます。
掛金は全額が課税対象所得金額から控除されるので節税になります。
また受け取る時は、退職所得控除の対象にもなります。分割受け取りの時は公的年金等の雑所得扱いとなります。
受取は、廃業及び老齢(65歳以上)により給付されます。
ただし、小規模企業共済は短期加入で解約するとメリットが少ないので、加入の際はよく検討する必要があるでしょう。
また納付した掛金の合計額の範囲内で事業資金貸付制度は以前からありましたが、新たに事業承継における資金確保を目的に「事業承継貸付(金利0.9%)」の創設もされます。
施行期日は公布の日から1年以内に政令で定める日としています。
 

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