電子化が進んでも印鑑文化は変わりません
わが国では、取引のあらゆる場面で昔からの商慣習や法令により、(取引の証拠として)各種書類等に印鑑を押印することがあります。
世界的にみると取引において印鑑を用いる国は少なく、大多数が「署名(サイン)」を(取引の証拠として)使用しています。
しかし、我が国においては、グローバル化・電子化が進む現在においても印鑑を用いた取引は数多く存在しており、印鑑がもつ重要性は現代社会においても、昔と変わりません。
実印と認印の違いは
法律上、実印という用語は存在しません。
個人における実印は、その個人の住民票のある市区町村において登録した印影が刻まれている印鑑のことを指し、法人における実印は、その法人の本店所在地を管轄する法務局において届け出られた印影が刻まれている印鑑のことを指します。
押印する際は十分に気をつけて
保証契約や定期賃貸借契約などの一部の契約を除き、各種契約の締結は口頭で行うことができます。
しかし、世間一般的には、「契約書」という形で当該契約の証拠として「書面化」し、当該契約書には、署名または記名押印がなされます。
これらの署名または記名押印は契約に関する意思を表示したものであり、後日の紛争の際、契約当時、契約する意思があったことを証明する有力な証拠となります。
(1)民事訴訟法では、私文書の成立につき、本人(または代理人)の署名または押印があるものは、真意に基づいて成立したものと推定しております。
(2)最高裁判所の判例において、本人(または代理人)により署名または押印がされた事実があれば、その署名または押印自体が本人(または代理人)の意思に基づいてなされたものであると事実上推定されると判断されています。
上記の推定により、実印・認印の区別なく、その私文書は真正に成立したものとして推定されるため、これらを覆すのは、大変困難なケースが多いといわれています。
  
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