昨年12月、「今年度からの3年間のうちに景気回復を最優先で実現する」との方針ものと、平成21年度与党税制改正大綱が公表されました。
通常であれば、4月から施行(遡及して1月からの適用もある)となるのですが、現在の「ねじれ国会」のもとでは、昨年同様、紆余曲折が予想されます。
それでは、大綱による中小企業関連税制の主な改正項目を概観してみましょう。
(1)法人税の軽減税率時限的引下げ
現行、中小企業に対しては、年所得800万円までは22%と「基本税率30%」より軽減されていますが、平成21年4月から23年3月までの2年間さらに、18%に引下げられます。
(2)繰り戻し還付措置全面復活
企業が赤字決算となった場合、前年に納めた法人税が還付される「欠損金の繰り戻還付措置」が、中小企業について恒久措置として復活します。
なお、同措置は、現在の景気低迷を受けて平成21年2月1日以降終了する事業年度において生じた欠損金から適用されます。
(3)期限切れの租税特別措置の延長
期限切れを迎える中小企業向けの「特別償却」又は「特別控除」といった租税特別措置(人材投資促進税制、中小企業等基盤強化税制)は、2年間延長されます。
(4)土地税制
景気回復期間中に土地需要を集中的に喚起するための特例措置として
①個人、法人が平成21年、22年に取得した土地を譲渡した場合(所有期間5年超のものに限る)には、譲渡益につき1,000万円の特別控除
②平成21年、22年に土地を取得した個人、法人については、その土地の取得価額を限度として、その後10年間に他の土地を売却して譲渡益が発生しても、その8割(22年取得分については6割)を課税の繰延とする措置を創設しました。
(5)事業承継税制と経営承継円滑法
取引相場のない株式等に係る相続税の軽減措置について、現行の10%減額から80%納税猶予制度が創設されました。
この新制度は、経営承継円滑法と相まって、平成20年10月1日以降の相続に遡って適用されます。
なお、小規模宅地の減額特例との併用も認められています。
また、親族に対する生前贈与についても贈与税の全額納税猶予制度が創設されました。(平成21年4月以降)

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